妊娠中のまつ毛エクステやまつ毛パーマの施術

妊婦のお腹

妊婦中にまつ毛エクステやまつ毛パーマ(ラッシュリフト)をしたいと思うお客様にはどのような対応をしたらいいのでしょうか?
施術中に、どのようなことに対して妊婦さんは不快感を感じてしまう可能性があるのかなどについても考えていきましょう。

1. 施術中の商材の匂い

妊娠初期の妊婦さんは、匂いにとても敏感になる方が大勢いらっしゃいます。
サロンでは十分な換気をしていても、目元の施術ということで商材が顔の付近に置かれていることもあり、施術中に商材の匂いが気になってしまう方がいらっしゃいます。
まつ毛エクステで使用するグルーと、ラッシュリフトで使用するまつ毛用パーマ液は、使用時に「ツン」とした匂いがすることがあります。
普段は大丈夫でも、気持ちが悪くなったり、「胎児に影響がないかな?」と心配になってしまう方もいらっしゃいます。

2. 妊娠中の体調の変化

妊娠すると、ホルモンのバランスなど普段と違うので、色々な体調の変化があります。
いつもまつ毛エクステ、まつ毛パーマの施術を受けて問題がなくても、目が腫れたりといったことが起こる可能性が十分にあります。
まつ毛エクステの施術で使用するグルー(接着剤)は、速乾性が高いため揮発性が高く少しでも目が開いていたりすると目がしみる、充血、目が腫れるなどの症状が出てしまう可能性があります。ホルムアルデヒドも微量ですが発生することも知られています。
妊婦さんは使えない薬もありますので、もし眼科へ受診が必要なほどの症状が出てしまった場合にどのように対処することができるのかも大きな懸念材料になります。

3. 長時間同じ体勢でいること

お腹が大きくなってきた妊婦さんは仰向けで長時間寝ていることが難しくなってきます。
膝下にクッションを置いたり、体は少し横になってお腹をクッションでサポートしながら施術を受ける方もいらっしゃいますが、お客様にとっても施術者にとっても楽な体勢を取り続けることは難しい場合もあります。
ベストな体勢で施術ができないと、エクステのもちが悪くなってしまい、リペアに来店する頻度が多くなってしまうことも予想されます。

妊婦さんは、普段よりもトイレに行く頻度が多いので、途中でトイレに行きたくなってしまって、我慢されるのもよくないですし、施術中にトイレへ行くとなると施術時間も長くかかってしまいます。

4. サロンでは妊婦さんをお断りするべきか

施術を受けた後に、妊婦さんの体調に何かしらの問題が起きた時に、他の原因であったとしても「あの時にサロンで施術を受けたのがいけなかったのかな?」なんて心配材料になってほしくないものです。
妊婦さんの体調や体質も人それぞれですし、サロンで使用する商材も様々ですので、はっきりとした科学的根拠がないのが現状ですが、サロンとしては基本的に妊娠中の施術をお断りするというスタンスで、どうしても施術を受けたい方には事前に担当医より承諾を得た上で自己責任でお受けする方が安全と思われます。

5. サロンが準備できること

・サロンでは妊娠中のお客様の安全と健康を守るためお受けしていないけれど、担当医の承諾を得て、ご自身の自己責任でサービスを受けていただくことに了承していただく。(書面に残す)
・施術前に、体調が良好であるか確認する。
・施術時間について、事前に口頭で伝えて了承を得る。
・施術時間が長くなるメニューより、より早く刺激も少なくできるメニューがあれば事前にご紹介する。
・施術直前に、必ずトイレに行っていただく。
・換気をしっかりと行う。
・商材メーカーよりMSDS(Material Safety Data Sheet)は製品安全データシートを入手できる安全な商材を使用する。
・使用する商材は、より刺激が少ないオプションがあれば、お客様の同意のもと弱い刺激の物を使用することも視野に入れる。
・施術中に、お客様の目が少しでも開かないように注意する。
・施術中に、お客様の目元の皮膚や粘膜に材料がつかないように注意する。
・施術中に、どのような工程で何をしているか説明をしながらお客様へのストレスを軽減させる。
・お客様が施術中に動いたりしたら、お声がけをして体調の変化がないか、体勢がキツくないかなど確認をとる。